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感謝の気持ちで、社員を教育し続ける
好きな歴史上の人物を教えてください
豊臣秀吉

(尾張国愛知郡中村の農家に生まれる。足軽として織田信長に仕え才気と行動力で重用される。本能寺の変で織田信長の死の知らせを受け、山崎の戦いで明智光秀を討つ。信長の後継の地位を得て天下を統一。大阪城を本拠とし、朝廷から関白についで太政大臣を任じられ豊臣姓となる。朝鮮侵略は戦況が思うにならぬまま秀吉の死で中止となった。百姓から天下人へと至った生涯は「戦国一の出世頭」と評される。)

親が片親で、小学校のときに養護施設にいたんです。施設には本がたくさんあるんですが、あまりマンガは置いていなかった。施設の本棚にある数少ないマンガが「マンガ日本の歴史」だったんですよ。何度も何度も、細かいところまで読んでいましたね。その「マンガ日本の歴史」の中で一番好きだったのが豊臣秀吉でした。こんな恵まれてない農家に育った人が、天下を統一できるんだって感心して読んでいたのを覚えています。当時の自分は、養護施設にいることにコンプレックスがありました。「今は養護施設にいる自分でもきっと成功できる!」と、子供心に勇気をもらったんですね。だから豊臣秀吉が一番好きかな。自分の場合、経営者になったことは、子供の頃豊臣秀吉に憧れた気持ちと無縁ではないですね。
座右の書・感銘を受けた本を教えてください
新エスキモーに氷を売れ!

田山敏雄 著

生まれて初めて参加した研修「田山学校」の、田山先生が書いている本です。この研修で学んだ「感謝」の心や、何度も参加している人達との出会い。自分より若くして経営者をされている人とも出会いました。そんな人達が一生懸命学んでる姿を見て、まだまだ自分が小さな存在だということも知りました。「田山学校」に参加したのは常務時代。自分は勝ち組だ、優秀だと思っていましたし、自信があったんですよ。それが研修に行くことによって、自分の弱さを知ることができた。そういう意味では、田山先生との出会いは自分にとって大きなものです。「新エスキモーに氷を売れ!」という本は、自分が研修で学んだことと重なる部分が多く書かれた著書。仕事をする中で研修内容を思い出す意味でも、座右の書として愛読しています。

習慣としていることを教えてください
社会人になってからの日報
毎日、必ず日報を残しています。その日の心境を総括の欄に書き込み、後々、詳細に振り返ることができるようにしています。この日報があることで、その時にどういうことをして、どういう想いで、どのように乗り越えたのかを、誰かに伝えることができるんですよ。例えば、初めて所長をやった時の日報を開くとします。部下のほとんど全員が年上。自分の言葉に説得力を持たせるために、いろんなことをデータ化しました。訪問数が何件で、アポ率がどのくらいで、と、小数点第2位くらいまで出して。「今のお前は行動量が足りない。もっと飛び込まなきゃ」というこの一言を言いたいがために、資料を作っていました。自分の手法と想いが書いてある日報があれば、今、同じ問題に直面している社員に教えることができます。課題をクリアしたときに得られる、対処の方法と、伝達の方法。その伝達を支えるのが「日報を残す」ということなんです。
生き方・考え方に影響を与えていると思う出会い、言葉を教えてください
田山学校で学んだ「親に感謝する」ということ
もともと自分は親が片親で、親父は好きだけど、尊敬したことなかったし、ましてや感謝をしたことはなかったんです。どちらかと言うと、自分で生きてきたという感覚が強かったものですから。そんな自分が、研修の中で「両親に感謝しよう」と他の参加者を説得することになったのです。一生懸命説得しながら、自分の思いと相反することを言っている自分に気付きました。「じゃあ自分はどうなんだ」その日は、涙が出て寝られなかったんですよ。親父側の気持ちになったときに、「俺はどんなに親不孝なんだろう」と。急に今まで育ててくれた親に感謝する気持ちが芽生えました。
今では、社員教育、研修の場面で、相手がマイナス発言をし始めた時には「それはほんとに両親に誇れることなのか」「嫁さんや息子に胸張って言えることなのか」という問いかけをします。こういうマネジメントに社員が慣れてくると「ずるいです」なんて言いますが「ずるいじゃないよ、真実なんだから」と返します。両親や、今周りにいてくれる人に感謝をすることは、絶対に忘れちゃいけない。この想いは、自分が人に何かを教えるときの大事な核になりましたね。
最後に京都という地で事業を展開してよかったこと、大変だったことを教えてください
特になし
京都で会社を設立したのは縁。もしかしたら大阪だったかもしれない。京都人と商売すると難しいこともあるでしょ?とよく聞かれます。しかし、お客さんに違いはありませんよ。初めて東京に行った時も、周りから言われたんですよ。「東京はなんぼ値引きとか言わない。要る、要らん、がはっきりしとる」と。そうなのかと思って上京し、初めての商談で言われたのが「いくらになんの?」でした。一緒や!と心の中でつっこみましたね。自分はあちこちに住んだし、あちこちで営業もしたんで、同じようなことをよく言われるんですよ。土地柄的にこうだとかね。自分の結論としては、どこの町も何も変わらないと言うことですね。こっちが腹を割ったら、相手も腹を割ってくれるんじゃないかなって。だから、京都だから…ということは、何もありません。
    
(記載内容は2008年5月時点における情報です)