経営者の生き方から自分を活かす働き方発見・学びサイト「CEO-KYOTO」

『社会の強い雑巾』となり京都に、社会に恩返しをしたい
代々違う商売を営む一族の中、呉服屋の長男として生まれる。御室600坪の家を持つ裕福な家庭ながら、父親の厳しい教育のもと小学3年生から高校卒業まで新聞配達を続け、中学1年生の時には「呉服屋は継ぐなよ」と言い渡される。洛南高校では挨拶、返事、掃除の大切さをはじめ、その後の原点ともなるべき多くを学ぶ。現在でも迷った時は学校の教えに返り、社員にも発信している。大学卒業後、日本最大手の保険会社に入社。日本中を駆け回る中でビジネスの面白さに目覚め、成績トップに与えられる「社長賞」を受賞。本人曰く「競争に勝つために私は努力ではなく、愛想で勝っていた。本当に多くの人に可愛がられ、助けられた」。その後ITベンチャー企業から誘われて副社長に就任するも、半年後、連帯保証人になったことで3億円近い借金を背負うことに。京都に戻り、「もう自分が食っていけるだけの会社でいい」と株式会社ナレッジデザインを設立したが、社会や京都の街への貢献心が大きくなり、本気モードに突入する。現在、洛南高校OB会副会長、夢は幼稚園の園長先生。

経営者を読み解く8つの質問

経営トップになってそれまでと変わったことは何ですか
「怖さ」を実感するようになった
経営者として私の決断が間違ったらどうしようとかそんな「怖さ」を感じているのではなく、自分の一挙一動すべてに責任があると更に強く感じるようになりました。「どこで、誰が、どんな目で心で見ているのか」をものすごく意識しています。私が一番怖いと思っているのは人がいなくなること。自分を評価するのは常に自分ではなくまわりの人であり、私は会社の顔として存在する。人は私のすべての行動から判断するので、慎重になりました。以前の私を知っている人からすれば、「お前にしては思い切りが悪いな」と言われるくらいに。また、私の持論ですが「アクションを起す前にはリアクションの体制を整える」ことを大事にしています。なぜなら、アクションを起せば当然リアクションが返ってくる。体制がないまま始めれば、当然人様に迷惑がかかってしまう。だったらやらなかった方が良かったとなる。そうならないよう、やるかやならないかを見定める為に、あらゆる観点から物事を見なくてはいけない。そこに漏れがあることが「怖い」と思いますね。
もし、経営者になっていなかったらどんなお仕事をされていますか
幼稚園の園長先生
50歳で幼稚園を作って、園長先生になることが夢です。今はその夢を叶えるための人脈づくりと資金づくり、勉強の時間。なのでこの質問に正確にお答えするなら、有り得ないということになりますかね。
教育の道を歩みたいと思ったのは、昨今の世の中は子どもが親を殺したり、強盗が子どもに手をかけるといった具合に、道徳がぐちゃぐちゃ。そうなったのは社会も悪いし、親もいけない。教育やしつけに携わってきた者もいけない。「三つ子の魂百まで」とあるように、小さいうちにしっかりとした柱を作らないといけない。だから幼稚園の園長先生になりたいんです。また、生まれ育ったこの京都の土地に恩返しをしたい気持ちもあるので、開園するなら京都で、「青山のところに任せたら大丈夫」といわれるように今は人脈を作っていきたいと考えています。
好きな言葉・座右の銘を教えてください
社会の雑巾たれ
雑巾は自らを汚して、周りをきれいにするもの。つまり、自分を汚して、人様をキレイにするもの。これを洛南高校時代に教わりました。
無垢の愛に似ているなと思っていて、例えば大恋愛をした時。相手の為だったら何でもしたいという気持ちになりますよね?見返りは求めませんよね?ただ相手が喜んでくれたらそれでいいわけ。ただその気持ちを家族、友人、地域、社会へと向けていきましょうという考えなのです。しかし、雑巾というのはぼろ雑巾ということもある。雑巾は拭いて磨いていくので、黒くなって汚れていく。拭いてばかりいるとダメになる。社会の汚れを拭こうと思ったら、ぼろ雑巾ではすぐにダメになってしまう。擦られても擦られてもへたれない、強い雑巾でないと社会の雑巾にはなれない。つまり、どんな状況でもへたれない強い自分にならないといけないのです。その為に相手に何かを求めるより、まずは自分が相手にメリットをあげられるのは何なのか考えるようにしています。