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自分がおもしろいと思った道 社員と一緒に目指していきたい
好きな歴史上の人物を教えてください
イム・サンオク(林尚沃)

(朝鮮後期の正祖から哲宗にかけて義州を舞台に活動した人物。義州で生まれ、20歳の時から対中国貿易に挑む。1810年朝鮮人参貿易の独占権を得て、天才的な商業の手腕で莫大な財貨を築く。)

イム・サンオクは朝鮮の商売人で、中国と貿易をしていた人物です。大まかな内容は、中国人が朝鮮人参の値段をさげさせようと口裏合わせをして買わない事態が起こり、イム・サンオクは朝鮮人参をすべて燃やす策にでて、逆に中国人を追い詰めて観念させたという話です。私がその中で印象的だったのは、中国人がイム・サンオクに「止めずに火をつけていたらどうしていたんだ?」と聞くと、イム・サンオクは「火の中に飛び込んでいた」と言ったことです。商売は命がけでしないといけない。本気でしないといけないと学びましたね。彼は「商道」ということを説いていて、金儲けのためだけにやるのは商術、困っている人に還元して、世の中に貢献するのは「商道」。弊社の理念も「お客様にとっての便利を追求し、お客様の得を創造しましょう」としていて、ひいてはそれが社員の満足につながり、地域社会の満足に繋がっていくと考え、この理念にしているんです。
座右の書・感銘を受けた本を教えてください
修身教授録

森 信三 著

人を動かす

デール・カーネギー 著

「修身教授録」はみんなにいい顔をして好かれようとする円熟よりも、角熟を目指せということを教えてもらいました。周囲とは協調はしながらも個性を大切にしていく。個性を否定されることがあったら逆らい、自分の内なるものを磨いていきなさいと。私はそれまではどちらかと言うと円熟を大切にしていたんです。はっとさせられた本でしたね。角熟でないと信念はもてないと思いました。
デール・カーネギーの「人を動かす」には、いくつか感銘を受けた内容がありますがその中でも「相手に重要感を与える」が一番響きました。当たり前のことですが、結構難しいことだと思います。感謝はしていても、感謝の念を伝えたりはしないと思うんです。だから、私はこの言葉を意識して「あなたがいるからうちがある」ということを社員に何らかのカタチで伝える努力をしています。
習慣としていることを教えてください
全体最適を考える
全体を見て意思決定をしていく。ミクロで見ない。全体を見ていないと判断を誤まることがあるので、目的を見失わない事を意識しています。一部が回っていたら、これでいけてるんじゃないかと思うのですが、全体をみた時はこのままじゃダメだという事を感じています。採用にこだわっているのもそうだと思います。全体としてみた時に人材は宝だと思いますので、採用や教育には時間も費用も掛かって大変ですが、商売のやり方、戦略などを変えても場当たり的ですからね。商売をやる、会社をつくっていく社員を育てていかないといけないと最近ひしひしと感じますね。
生き方・考え方に影響を与えていると思う出会い、言葉を教えてください
強烈な願望を心に抱く

京セラ 稲盛氏の言葉

実際稲盛さんは京セラが「きつい、汚い、危険」の3Kの会社から、強烈に想いを持つことで変えてこられました。だから、うちの会社がまだまだなのはすべて私の想いが足りていないということだと痛感していますね。環境がどうとかではなくて、私がもっと強烈に思っていれば浸透して、実践していってくれると思います。なぜなら、去年あたりから会社で経営発表するようになったのですが、目指したら目指したようになっていくんですよね。絵を描けたら8割は成功すると今は思えますし、想うと数字も見えるし、状況も見えてくるんですね。だから、夢がかなっていない人はどこか人のせいにしているんだと思います。言い訳ばかりしても前には進まない。とにかく強烈に想って、自分の将来のビジョンを明確に描くことが必要ですね。
最後に京都という地で事業を展開してよかったこと、大変だったことを教えてください
保守的
京都という土地は本当に入り込むテナントが少ない。だから大阪・東京みたいに大手が参入してこないので、私たちにしたら恵まれています。チケットショップのリーディングカンパニーとして京都で歩んでこられたのは、京都という土地の力も充分にあったのかと思います。将来の像が描けなくなった時にしんどかったと思ったことはありましたが、京都という土地だからといって大変だったことはありませんね。
    
(記載内容は2008年1月時点における情報です)