経営者の生き方から自分を活かす働き方発見・学びサイト「CEO-KYOTO」

評価は他人がするもの自分を決め付けず自然体でいたい
山口県の片田舎で生まれ、小さな頃はガキ大将と呼ばれていた。中学を卒業すると親元から離れ、萩の高校に入学。幕末・明治維新から100年を経ず、昭和にあっていまだに往時の風土を色濃く残していた当時の萩で、志士的気概を尊ぶ考え方や雰囲気に自然と影響を受ける。高校卒業後は大阪の電気通信会社に就職。そこで7年間を過ごした後、職場の仲間と共同で独立。京都を中心に電話工事を手がける。独立15年目、共同創業者から引き継ぎ社長に就任すると、持ち前のリーダーシップを発揮。自ら陣頭指揮をとり、電話工事以外にも事業の多角化を図る。社員からの事業提案も積極的に採用。業界・業種にこだわらず、可能性を信じ、チャンスを与え続けている。

経営者を読み解く8つの質問

経営トップになってそれまでと変わったことは何ですか
責任感
やっぱり責任の重さでしょうね。共同で創業して、先に社長をやっていた方がいらっしゃったんですが、その方が亡くなった時に私がNO.2から社長になったんです。それまで共同でやってるような感覚でいたけど、社長になると全然違いました。財務上のこととか、それまで自分があまり分かっていなかった部分も含めて、全ての責任が自分にあるわけです。会社自体順調な時ではなかったし、今から思えばその頃が一番のピンチだったかもしれませんね。でもトップは、その責任をしっかり背負って、自分自身を追い込まないといけないと思います。自分をギリギリまで追い込めないと、リーダーたる人間にはなれないんじゃないですかね。順風満帆の時はいいんです。でもガクンと下がった時にそこから這い上がる努力が必要。自分自身がリーダーシップを発揮するためには、ある程度のレベルのところに自分を置いておかないと、人についてきてはもらえません。神様になれとは言いませんけどね。そうして社員が私を認めてくれる。私も社員一人ひとりを認めていく。だからこそ企業が成り立つのだし、認めてもらえるように責任の重さから逃げずに向き合うこと、それが大事なんだと思います。
もし、経営者になっていなかったらどんなお仕事をされていますか
考えたことがない
僕の就職当時は“集団就職”だとか、そういう世の中でしたからね。いわゆる夢というのか、「こうなりたい」というのはあまりなかったんです。僕は中高の時野球をやっていましたが、「甲子園に行きたい」とは思っても、今の子みたいにプロ野球選手になりたいと思ったことはあまりなかったですね。
今後ということであれば、私はね、働ける限り働かせていただくことが一番ありがたいなあと思っているんです。トップでずっとやりたいということじゃなくてね。自分の体が動く間は、何かでお役に立てたらなあ、と。いつまでも出てきたら会社のもんには迷惑でしょうけど、でも、できれば何かお役に立ちたいと思ってるんです。
好きな言葉・座右の銘を教えてください
負けに不思議な負けなし、勝ちに不思議な勝ちあり
何年か前に雑誌か何かで見て、妙にこの文面に惹かれましてね。意味を調べてみると、いろんな捉え方があるようです。私にとっては特に、「負けに不思議な負けなし」というところが響いたんですが、負けには何か原因が、マイナスにつながることには絶対に原因があるはずだということです。それはもう、反省して、原因を追究しつくして、答えを出していく。そして二度とそのマイナスの起こらないように努力していくことが一番大事です。我々のように工事業・建設業に携わっていると、人命も大きく関わってきます。ほんの少しのマイナスであろうと、絶対に人にご迷惑をおかけしちゃいけません。第三者に対しても、社内でもね。どうやったらご迷惑をおかけせずにやっていけるのかということをとことんまで追究するんです。利益にしても、他の問題にしても、経営は全てそう。やっぱり「負け」があるならそこに謙虚に取り組みたいですよね。でもまあ調子のいい時には自然にいきます。運動会だって前の人が転んで自分が1位になることってあるでしょ。だから「勝ちに不思議な勝ちあり」。そこには理屈はないけど、負けるのには原因があると思うんですよ。勝つ時は、そこまで深く考えなくてもいいんじゃないでしょうかね。