経営者の生き方から自分を活かす働き方発見・学びサイト「CEO-KYOTO」

自分の将来 会社の将来 想えば必ず実現できる
大学卒業後、岐阜の電気メーカーに就職。経理や工場管理を経験し、大阪転勤を経て、3年後には父が経営する旭金属工業株式会社に入社、32歳でグループ企業・旭金属精機株式会社の社長に就任する。その後自らも関連会社を数社立ち上げながら、平成元年、35歳でグループの中核である旭金属工業株式会社社長に就任。事業のメインを「航空・宇宙機器部品の製造」に特化し、売上規模を拡大。現在ではボーイング社など海外の多くの航空機メーカーから認定工場としてその信頼を集めるに至る。京都の名うての経営者との出会いを通じて経営の真髄を学び、常に目標を明確に定めることで自分の想いを実現し続ける。

経営者を読み解く8つの質問

経営トップになってそれまでと変わったことは何ですか
将来の会社のポジショニングを考えるようになった
ある意味社長が考えることやからね。社長は会社の方向性や方針を決めないといけない。ニッチな業界に行くのかメジャーな業界にいくのか、どんな規模を目指すのか、その選択ですよ。それも自社だけじゃなく競合状態やマーケットなど対外的な部分を見て、この分野がよさそうだとか今なら勝負できるだとかね。
社長になったのが32歳。早く経営者として一人前になりたくて、研修会や経営者の集まりには片っ端から足を運んだなあ。そこで多くの成功者、有名な経営者の話を聞いて、言ってることはみんな大体共通していると思った。「ターゲットを明確に決めれば、自然と道が開ける」ってね。いろんな人がそういうやり方で成功してる。自分で「なりたい」「なれる」と言えばなれるって、それだけの話なんやけど。経営の本質だと思いますね。
もし、経営者になっていなかったらどんなお仕事をされていますか
スポーツインストラクターもしくはトレーナー

大学でアーチェリーをやっててね。一番いいときには日本ランキングで16位ぐらいかな。自分みたいに別にそれほど能力のない人間でも全日本の試合まで出られたんだから、能力のある人材を見つけてトレーニングすれば世界なんて簡単に行けると思う。要は練習の仕方ですよね。スポーツは心と技術と体力やから、それぞれの要素をどうトレーニングしていくか。アーチェリーというのは点数競技で、全日本の試合に出るためには何点必要かというのが目標になる。そしてその何点を出すためには何が必要なのかって…。
スポーツも経営も全て一緒。製造業の世界でもマン・マシーン・マテリアル、いわゆる3Mとかあるしね。どんな世界でも物事には要素というものがあるから、その要素一つ一つにどう取り組んでいくか。例えばどんな企画を立てるにしても、また人生でいえば結婚するなんてことにしても、誰もがそうやって考えて行動してる。あとはその応用の仕方で結果に違いが出てくるんやと思う。

好きな言葉・座右の銘を教えてください
念ずれば花ひらく

「こうなりたい」と思えば結果はちゃんと開けるってね。でもこれは、実際に自分でやったり、実感したことのない人に言っても本当にはわからないんじゃないかな。いくら言ったって理解できない。「そんなばかなことはない」と思うからね、普通は。
ただ成功した経営者に話を聞くと、京セラの稲盛さんにしろ日本電産の永守さんにしろ、表現は違えどみんな「念ずれば花ひらく」と言ってる。「ほな、だまされたと思ってやってみよう」とそのままやってみたら、うちの会社は上手くいった。「航空機部品で成長するんや」と言い続けたら、本当にこうやって成長できた。
その後も多くの人の経営や成功に関する本を読んだり話を聞いたりしたけど、言ってることは一緒だと思う。後はそれを「やってみよう」と本気で思えるかどうか。信じないと念じ続けることはできないですからね。