経営者の生き方から自分を活かす働き方発見・学びサイト「CEO-KYOTO」

自分だけで築ける幸せはそんなに多くない
高校卒業後に京都のホテル、技術設計の会社に勤務。その後、仕事を通じて知り合った経営者の出資を得て友人と共に事業を起こし、順調に拡大を図る。やがてバブル崩壊による親会社の業績悪化にともない倒産。知人の葬祭会社に入社し、営業職でキャリアを積む。2000年、20代で共に事業を起こした友人が新たに技術派遣の会社を設立し、実力を買われて転職した。2006年5月に独立・起業。売上や利益の成長と共に、社員個人また組織の成長を重視し、価値観を共有できる場作りに力を注ぐ。

経営者を読み解く8つの質問

経営トップになってそれまでと変わったことは何ですか
変わらない

サラリーで働いていた時代から経営者意識は持ってやっていたので、何か「改めて変わった」という感じはないかな。もちろん、会社の利益追求だけに全力を尽くすだけではなくて、資金作りやキャッシュフローの面での責任を果たさなければならないという意味では以前と違うけれどもね。
社員たちに対する思いや接し方もさほど変わらない。経営者になる前も伝えたいことは、はっきりと口に出してきたから。ただ、やはり自分が起こした会社だからこそ、今まで以上に『人や組織作りに対する思い』をダイレクトに社員に伝えていこうと思っている。前職でできなかったことを後悔するんじゃなくて、反省して課題を見つけてやっていくべきですからね。
一緒に働く人たちには僕を利用してもらったら良くて、ここに乗っかって、ひとりでは得られない何かを得られるくらいまでみんなで行けるといいなと思ってるんですよ。

もし、経営者になっていなかったらどんなお仕事をされていますか
会社勤めを続けていた
『収入が良い』『キャリアパスがある』『人間関係が良い』この3つの要素のうち、ひとつでもあれば人はその職場で働いていけると思うんです。勤め人時代には全てがあったし、僕はとても恵まれていたと思う。
ただ僕は、仕事をしていく中で自分の幸せの価値観に気づいた。自分が社内で話したこと、部下から相談を受けたことなんかを通じて、人が何かを感じて行動を変えたり、イキイキと働くようになる…それが僕にとっての幸せだったんです。
その思いが自分の中ではっきり形をとって大きくなってきた時、やはりこのままサラリーマンでやっていくより、自分でハコを作って、そこでメンバーと価値観を共有しながらひとつの組織を作っていきたいと思った。僕は、自分のためには頭は下げられないけど、信頼できる仲間のためになら頭を下げられる。自分だけの幸せを追求するのは簡単だし、面白くない。僕は、自分だけのことを考えて生きるなら、多分何もせずグータラに生きているだろうと思いますよ。
その気づきがあって、今の僕がいる。それがなければ独立はせず、会社勤めを続けていたでしょうね。
好きな言葉・座右の銘を教えてください
あきらめずにやり続ける

『あきらめずにやり続ける』と言ってもね、ただ単に、自分を反省も分析もせずにやり続けるだけでは無意味なことになってしまう。
何が大切かというと、一番は『自分は絶対的にキレイなものでも正しいものでもない』ということを認識することかなと。まずは、世の中にはいろんな価値観があることを知って、人の意見を取り入れて引き出しを増やすことが必要なんじゃないかと思うんです。40代くらいまでは、頑固になる必要もないですよ。
あとは自己分析ですね。人は自分のできること、できないことをしっかりと見つめることを嫌がる。あいまいにして、見栄を張ってみたりね…。だけど、やはりそこは日々、仕事を通じて、周囲の人を通じて自分の本当の姿と向き合って、認めていくことが大切やなと…。その上で、初めて『あきらめずにやり続ける』ということが意味を持ってくると思うんですよ。そうすれば、目的は達成できると。だから、僕はあきらめずにやり続けていこうと思っているんですよ。