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社内ブログで生まれた連帯感−あんしんLife 2月号

社内のペーパーレス化につながればいいと始めた社内ブログ。
当初は「書ける者が書けばいい」と考えた株式会社浜野製作所の
代表取締役浜野慶一さんは、まず、新入社員に日報として
ブログ更新を義務づけた。その際の条件は2つ。
1つは、批判、悪口等の禁止。
もう1つは、短くてもいい仕事に限らなくてもいいということ。

社内の出来事や会社のそばの飲食店情報など、ブログの内容は実に多彩だ。
新入社員からはじまり、徐々に書き込む社員が増えていったが
それにはこんな書き込みが要因の1つだった。
「昨夜は○○さんが遅くまで残って仕事をしてくれたので
本日、無事に納品できました。取引先から「ありがとう」と
お礼を言われましたが、それは○○さんへのお礼の言葉だと思います」
このブログを読んだ人から「昨日は遅くまで残業だったんだって。
ご苦労さま」などの言葉が本人にかけられるようになり
読みたい書きたいという意識が浸透していった。

書き手が増えると、新人からの技術的な質問に
ベテランが答えやヒントを寄せる。
製造現場の苦労を営業部が読み、営業部の苦労を総務や製造部の者が読む。
他部署の仕事ぶりも手に取るようにわかるようになった。
浜野さんは、ブログの効果に驚きを隠せない。

最近のデータでは、大卒新入社員の30%以上が3年以内に離職するという。
ただでさえ採用難の時代に離職者が増えれば
中小企業にとっては存続の危機だ。

ブログというツールは有効だが、ツールはあくまでもツールだ。
「仕事を遂行する仲間としての前に、人としての連帯感、社内の知識や
知恵がベテランから新人に伝承するなかでの一人ひとりの成長感」
人材確保のヒントはそんなところにありそうだ。