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辞めさせないためのヒント 面白道具で引き留める−AERA3/5

人材採用難時代に大切なことの一つは、辞めさせないこと。
せっかく採用した人材の定着にはいろいろなアイデアがありそうだ。

玄関を入るとホワイトボードに「ようこそ遠方まで」と書かれている。
出されたカフェラテの表面にはココアの粉末で描かれた「AERA」の文字。
長野県辰野町にある新聞販売所、共和堂 代表取締役の米澤晋也さん(35)
の経営方針は「人を喜ばせること」だ。

共和堂には、「他喜力シート」「未知との遭遇カード」など
ユニークな仕掛けがある。

「他喜力シート」は、仕事中にお客さんや同僚を喜ばせる行為があると
同僚が米澤さんに報告、スタンプが押されると言うシート

「未知のとの遭遇カード」は、1年に一度、仕事の出来栄えを
自分で描く。例えば配達員の管理を担当する社員の場合、配達を
「定時・定点・確実」にする、といった具合で、そのステップを
クリアする度に、スタンプが押され、最終的にゴールすると
「京都一人旅」とか、自分で決めたご褒美を手にできる。
会社から5万円と5日間の有給休暇が与えられるというもの。

また、研修コンサルティング会社のウィルPMインターナショナルから
人の行動と成果の関係を科学的に分析する方法を学んだ。
例えば、勉強のできる子どもが自然に取っている行動を細かく分析して
他の子供にも同じ行動を取らせ、できてほめると勉強に効果があるという。
それと同様に朝刊作業用の行動ラインアップを作成し
そのひとつひとつをクリアする毎に、従業員のもっているカードに
スタンプを押すことを繰り返すと、それまでは作業を覚えるのに
半年以上かかっていたのが、2ヶ月に短縮できたとのことだ。


これだけではないだろうが、ユニークな数々の仕掛けで
アルバイトを含めた離職率は一気に改善し
正社員は事業に専念できているのだそうだ。